前回に引き続き、今回はクリーチャーの考察。

前回と違い、クリーチャーは確定スロットも改めて考察していく。

■《呪い捕らえ/Cursecatcher》
①マナ1/1と最近のクリーチャーにしてはサイズは控えめだが、
コンボにマーフォークが、強いと言われている大きな理由のひとつ。
コンボ側からすれば《目くらまし》を見せ付けられているのと同じ状況になる。
白ANTが打つ《オアリムの詠唱》後でも使用できるのは非常に強い。

更に部族の癌である、全体除去の様な
マナコストの高い呪文を打つときにも非常に効果的。
相手からすれば、
①マナ多く払わないといけない+《目くらまし》の恐怖もあり、
動きに大きな制限がかかってしまう。

《メロウの騎兵》の誘発型効果を最大限に生かしてくれるのもこれ。

しかしやはりインスタント・ソーサリーを使わないデッキに対してや
《仕組まれた爆薬》 《仕組まれた疫病》 《破滅的な行為》
等の、致命的なアーティファクト・エンチャントと、クリーチャーに対しては無力。


■《銀エラの達人/Silvergill Adept》
②マナ2/1+キャントリップと言う、脅威のアドバンテージを取るカード。
マーフォークにおいての、《変わり谷》と共にメインアタッカーやブロッカーである。

カウンター②の、《霊気の薬瓶》から飛び出してくるこれは、非常に心強い。

通常でプレイすると追加コストとしてマーフォークを公開しなければいけないが、
これもある意味の利点である。

島の入っているデッキに対しては《アトランティスの王》を公開することにより、
心理的に、手札にある除去を使用しづらくし、他のクリーチャーを通したり、
逆に島の入っていないデッキに対しては《メロウの騎兵》等を公開し、
タップ効果を恐れての勝負を急がせ、ペースを握ったり出来るかもしれない。

相手に合わせて、あえて1番つらいカードを見せるのが定石である。

《呪い捕らえ》と同様タフネスが1なので、ロード不在の状況で
《仕組まれた疫病》を張られたら、死んでしまうのはご愛嬌。


■《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
マーフォークが青に劇的に強い理由そのもの。
これに関しては多くは語る必要は無いと思う。
同型戦では、出すタイミングに注意する必要がある。


■《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
誘発型効果に《ぐるぐる》がついているもう1体のロード。
土地をアンタップして擬似的に①マナ軽くしたり、
《霊気の薬瓶》を立ち上げ再度ロードを場に出すのは常套手段。

2体以上出ている時の誘発型効果は驚異的、
相手のクリーチャーをフルタップにし、
爆発的に上がったパワーと展開力で押し切る事も。

どんな相手でも除去筆頭。
島が入っていようと《アトランティスの王》以上の脅威になりえる。


以下、非確定スロット

■《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》
M10で登場した、3体目のロード。
これの持っている起動型能力は
「(T):マーフォーク・クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。」
と、一見地味な起動型能力だが、
ジリ貧な状況を打開、最後の1発等、実は無視できない能力。

この起動型能力は《大祖始》が居ようが、《エメリアの盾、イオナ》が居ようが、
飛行の《珊瑚兜の司令官》と違い完全に無視できるところが非常に強い。

《メロウの騎兵》 《冷淡なセルキー》 《航跡の打破者》 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》
あたりがマーフォークに使用される代表的なマナコスト③である。
これを含め、そのあたりを多めに積むと、、
《霊気の薬瓶》をほぼ悩むことなくに3に出来るので、非常に動きがスムーズになる。


■《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
現マーフォーク、単機での最強はこれ。
今まで勝つことの出来なかった、ゴブリン等への回答とも言えよう。
《梅澤の十手》を装備したこれは、「脅威」の一言。

レベルを4まで上げれば、基本が4/4飛行の上にロード能力も着くので、
今まで9体目以降のロードとして使用していた《マーフォークの君主》と使用を悩ませるカード。

しかし、現レガシー環境で飛行は非常に強い能力であるのは間違いないが、
《霊気の薬瓶》があればこその、高速でのレベルアップ。
無い状況となると《アトランティスの王》と同じく色拘束が厳しく、
レベルアップまで考えると④マナ以上かかってしまうのがネック。

しかもレベルアップには無色で良いとは言え、
《もみ消し》を構えたり、《不毛の大地》《変わり谷》等を使い、
自由に使用できる土地が少ないマーフォーク。
さらに《梅澤の十手》まで使用するとなると、かなりのマナが必要になる。

マーフォークは元々の土地の枚数が少ないので下手をすれば、
2/2バニラでとまってしまう可能性もある。

これを最大限に活かすのならば、《梅澤の十手》を投入し、
土地を20枚以上積むことをオススメする。

これを投入すると、《アトランティスの王》 《銀エラの達人》 《梅澤の十手》
等と、どうしても強カードがマナコスト②に固まりがちになるので、
《仕組まれた爆薬》 《破滅的な行為》 《虚空の杯》 等に十分注意する必要がある。

更にいうならば、これと《梅澤の十手》を見て、
初手のキープ基準を見誤ってしまう可能性もあるので気をつけなければならない。

余談だが、部族デッキのスリヴァーが絶滅した理由の一つとして、
「マナコストが②に固まりすぎていて、《仕組まれた爆薬》に非常に弱い。」
という例もあるので、これが単機最強とはいえ、個人的ではあるがその点が気がかりである。


■《冷淡なセルキー/Cold-Eyed Selkie》
一時期、セルキーバントというデッキに投入され猛威を振るったのはその名のとおりこれ。

これがプレイヤー与えた戦闘ダメージにより、その分だけドローすることが出来る。

基本能力に「島渡り」がついているので、
島を使っているデッキからすれば大きな脅威であり、除去筆頭になってくる。
基本は除去の無いマーフォーク、同型戦において最強の1枚になってくれるだろう。

しかし、《広がり行く海》を使用していない場合は、
島の入っていないデッキに対して無力同然なので、
これを使用する場合は《広がり行く海》とセットでの投入が必須。

その上、ドローの枚数は与えたダメージ参照。
しかもプレイヤーに与えないといけないので、
ロード能力とアンブロッカル能力を付随できる、《マーフォークの君主》との相性が非常に良い。


■《航跡の打破者/Wake Thrasher》
最近めっきり見かけなくなったが、
未だにサイズだけ見れば《珊瑚兜の司令官》をも超えるアタッカーである。

基本サイズは1/1だが、少なくとも
場に出ている土地+《霊気の薬瓶》の枚数分の+修正は約束されている。

平均しても、5/5以上はすぐ越えるので、
サイズだけ見れば、《タルモゴイフ》 《聖遺の騎士》等にも対抗できる。

しかし先も書いたとおりに、基本サイズは1/1
能力の適応されることがほぼ無い、相手のターン中には無力同然なので、
ブロック要因としては構えづらいのと、
単機での回避能力が無いのが何よりのネック。

これを使用するにあたっては、《マーフォークの君主》とセットでの投入が必須と言えよう。

マナコスト③だが、《メロウの騎兵》同様、色拘束も優しく
《珊瑚兜の司令官》 《マーフォークの君主》等よりも場に出しやすいのは嬉しい。


■《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
メイン戦において、ほぼパーマネントに触ることの出来ないマーフォーク、
クリーチャーに限定されるが、その点を少し解決してくれる1枚。

これの起動型能力を使うのにあたって、手札を1枚捨てなければならない。
手札を補充するすべの少ないマーフォークにはこの1枚が非常に痛い。

出来るだけ土地や《霊気の薬瓶》を並べたい《航跡の打破者》と、
ドロー力が弱まる、《広がり行く海》投入型とは相性が悪い。

安定してこれを活かすのならば上記2点を守るのと、
土地を20枚以上投入するのをオススメする。


■《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner》
マーフォークではないが、現在のマーフォークに投入される可能性のあるカード。
ビートダウンの癌になる除去を擬似被服により、ある程度防ぐことが出来る。

自軍を除去さえされなければサイズ、速度的にも、
ある程度土地縛りや、打ち消し等で妨害出来るのでZoo相手にも十分に戦えることが出来る。
苦手筆頭のZooには、《梅澤の十手》よりも、これの方が効果的。

膠着状態から、飛行2/2で削る事も可能。

しかし、自分のクリーチャーに擬似被服を与えてしまう効果により、
最強の装備品《梅澤の十手》とはアンチシナジーなので同時投入は避けたい。

これを使用するにあたっての注意点は、
色拘束が厳しいの上に、ある意味での切り札なので、極力《霊気の薬瓶》で出したい。
そのカウンター③の《霊気の薬瓶》を最大限に活かし、
さらに除去をあまりされない状況になるならば、
《マーフォークの君主》 《冷淡なセルキー》等のマナコスト③を多めに積むことをオススメする。

更にこれはルールの勘違いがおきやすいカードの一つでもある。

例をあげると、

① 相手が自分のコントロールしている《アトランティスの王》に対し、《剣を鍬に》を打った。
② 自分はそれをスタックに乗せ、カウンター③の《霊気の薬瓶》起動。
③ 相手が起動を許可。
④ 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》が場に出る。

一見、《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》の能力により、《剣を鍬に》から
《アトランティスの王》は守られるように見えるが、それは間違いである。

《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》の能力は、

あなたがコントロールするクリーチャーは
「このクリーチャーが各ターンで最初に呪文や能力の対象になるたび、
その呪文や能力を打ち消す。」を持つ。


と言う「誘発型能力」。

①の時点で《アトランティスの王》は対象に取られているので、
《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》は誘発しない。
《剣を鍬に》により《アトランティスの王》は農場送りにされてしまう。

しかも誘発型能力なので、《もみ消し》で消すことも勿論可能。

これを読んでいる方々は、
《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》を使う機会があれば、
又は身近に使っている人が居てこのルールを知らないのならば、
是非活用して欲しい。


■《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
クリーチャーではないが、《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》との比較対象としてこちらに書く。

事実上、現レガシー環境最強の装備品。
マーフォークで使用されるこれの能力が、
単機で強回避能力である、飛行を付随できる《珊瑚兜の司令官》の登場により、
また一段と向上した。

比較対象の《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》は対Zooに有効だが、
こちらはもうひとつの苦手筆頭、ゴブリンに対し非常に有効。

プロテクション(青)により《変わり谷》以外で触ることが出来なかった、
ゴブリンのフィニッシャーの1つ、《ゴブリンの群衆追い》も除去することが出来る。
しかも《変わり谷》は土地であるが故に、ゴブリンに対し
《不毛の大地》《リシャーダの港》で止められることが多いので元々あまり期待が出来ない。

その点《梅澤の十手》はメイン戦において《ブリキ通りの悪党》以外で
壊されることが殆ど無いので、かなり有効である。

部族に対して非常に強いのは、同型戦においても同じ。
裸の状態ならば、ロード含めクリーチャーのサイズが基本は2/2以上いかないので、
先にこれの動き出したほうの勝ちになることは必須。

装備品なので、当然ながらクリーチャーが居なければただの置物であり、
さらにアーティファクトなので壊されたり、《真髄の針》等で効果を止められるのはご愛嬌。

これを使うにあたっての注意点は、特に同型戦に大きい。
当然ながらこれに頼ってのハンドキープをすると打ち消されて、どうしようもなくなったり。
カウンターを消費するタイミングを見誤ると、すべてが無駄になる。

簡単な例を挙げるならば、

・アンタップ状態の《霊気の薬瓶》のカウンターが②か③の時に、
 《呪い捕らえ》や《銀エラの達人》を除去しようと思ってカウンターを1つ使ったが、
 ロードが出てきてカウンターを1個無駄に消費した。

・同じくアンタップ状態の《霊気の薬瓶》のカウンターが②か③の時に、
 2/2のロードを除去しようと思って2個カウンターを使ったが、
 ロードが出てきてカウンターを2個全部無駄に消費した。

・島がひとつアンタップの状態に、
 2/2のロードを除去しようと思って2個カウンターを使ったが、
 2発目を《もみ消し》されカウンターを2個全部無駄に消費した。

・沢山ロードが出てきたときのためにカウンターを貯めておいたら、
 《梅澤の十手》が出てきてレジェンドリールールにより破壊された。

・カウンターが2つ溜まっていたが、《もみ消し》が出来ないからといって
 安易に《霊気の薬瓶》の起動を許可したら、ロードが出てきて除去できなくなった。

勿論、上記のようなことは当然ケアすべき点ではあるが、あえて書かせていただいた。

これを最大限に活かすのならば、《珊瑚兜の司令官》や《マーフォークの君主》等の
回避能力で安全にカウンターを乗せつつ戦うのが望ましい。


非常に長くなってしまったが、この考察を見て
少しでもマーフォークを使う人や、マーフォークを倒したい人が、
参考にしてくれてると、俺は嬉しい。

まだまだ書きたいことがあるので、それは次回に持ち越し。


次回は、
【マーフォーク考察 08 ■スロット考察 まとめ編】の予定。


マーフォーク考察 リンク集
http://fate88rw.diarynote.jp/201004142238301527/

コメント

パリジェンヌ田吾作。
2010年6月4日9:19

始めまして。楽しく読ませて頂いております。
大いなる玻璃紡ぎ、綺羅と霊気の薬瓶の関係を
間違えて認識しておりました。
大変、勉強になりました。ありがとうございます。

ぷんぷん
2010年6月4日10:05

僕も勘違いしていました;
あやうく実戦でドヤ顔してしまうところでした。。
今回もすごく参考になりました!
いつもありがとうございます^-^

abigara
2010年6月4日12:50

・アンタップ状態の《霊気の薬瓶》のカウンターが③の時に、
 1発目の起動をスタックに乗せ、《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》が出てきて
 2発目を打っても無意味になってしまった。

2回目、打ち消されないです・・・。

わか
2010年6月4日18:32

>>ぱねさん
俺も少し前まで勘違いして使っていました…。
それでもキラ様は強いので採用の価値はありますけどww

>>ゆっぺさん
というか、知らない人も結構多そうなので仕方ないと思います><
でも、他に「どや?」ってやってる人が居たら教えてあげてくださいwww
参考にしていただきありがとうございます。

>>abigaraさん
指摘ありがとうございます。
俺としたことがひどいミスを…。

消しておきました。

茶々参@YKY団
2010年6月4日21:22

綺羅の使い方今まで間違っていた・・・。

ソープロ打たれても普通に薬瓶から出して王様守ってました・・・。

nophoto
ぬんし
2010年6月4日21:32

勘違いしてた人は、これを機にもう少しルールを学んだ方がいいかも。
特定のカードの例だけじゃなくて、ルール的に。
ルールがしっかり分かってると、MTGはもっと面白いよ!

わか
2010年6月4日22:14

>>茶さん
それでもキラ様は対Zooにかなり効きます。
出すタイミングさえ間違えなければ強さは折り紙つきです。

>>ぬんしさん
俺もわからないルールが多かったり、
知らないカードが多いので、
色々勉強したいと思います。

そうすればもう少し高みに!

fu@しーぶいまりな
2010年6月5日23:51

はじめまして、fuといいます。
自分はレガシー始めようかと最近思い、マーフォークを組もうとしていたので参考にさせていただこうとリンクさせていただきます。
よろしくお願いします

わか
2010年6月7日0:43

>>fuさん
こちらからもリンクしました。

たま
2010年6月8日11:37

当初買わないつもりだったのですが、この記事を読ませて頂いて
十手の大事さをひしひしと感じ、十手買ってしまいました。

面白く、とても参考になります。素晴らしい!

わか
2010年6月8日16:34

>>たまさん
次回の考察に
苦手筆頭Zoo・ゴブリン等に対しての
魚目線での考察もする予定。

十手の話も出します。

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